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をふった。
「万事そつなくされるあなたでも、これをきけばどうしても態度や表情にでてしまいます」
いまの俊冬の言葉は、どういう意味だ?
「なるほど。いまから会う面子の中にいるってことだな」
「さすがは副長。申し訳ありません。これだけでも、あなたはこの後の宴で意識をそれにとられてしまいます。眉心紋消除 頭ではわかってはいらっしゃるでしょうけど……」
「自然にふるまえ、というわけだな」
「はい。同道は、わたしだけいたします。黒幕どもは、おれの腕はさきの剣術大会や噂で十二分にわかっています。下手なことはしないはず。ですが、万が一ということもあります。いざとなれば、あなたをお姫様抱っこして逃げます。そうなれば、他に同道者がいないほうがいいですから」
「くそっ!なにゆえだ?」
副長がこちらをみてきた。
ってか、お姫様抱っこ?
その一語がインパクト強すぎだ。
「なにゆえ、お姫様抱っこだ?せめて、おんぶにしてくれ」
「いや、そこかいっ!」
おれも同様にお姫様抱っこに喰いついたくせに、副長にツッコんでしまった。
「申し訳ありません。つい、ツッコんでしまいました。マジなところ、さすがに土方歳三が味方に狙われていたとか味方に殺されたという史実は、公にはありません。噂っぽい感じではちらほら見受けられますが。それも、後世の創作とか伝える人たちの思い込みの要素があります。その上での話です」
一言添えてからつづける。
「副長は、最後まで交戦派であった。だから、それがうざかった。もちろん、降参したがっている人物たちにとっては、という意味です。だから、副長をどうにかしようと目論み、実行に移した。さきの箱館山の地雷火だけのことではありません。降参したがっている人物たちは、敵の仕業に見立てて味方に損害を負わせ、物理的にも精神的にも負け戦になるであろうことを見せかけ、思い込ませたいのでしょう」
「おいおい。おれは、一度だって『最後まで戦い抜くぞ』とか『一兵卒になるまで意地を貫くぞ』、などといったことはない。それどころか、『どうせ負けるんだ。今後のためにも、控えめに戦おう』って遠まわしにいっているくらいだ。それをなんだ?だれもそれをわかっちゃいないのか?気がつかない馬鹿ぞろいだっていうのか?」
副長は、呆れかえっている。「よくも悪くも新撰組の「鬼の副長」であることが、だれにでも好戦的なイメージ、もとい印象をあたえているんでしょう」
「くそっ!これは、か?」
「それは、関係ないと思うがな」
とんだ見当ちがいなことをいった副長に、冷静にツッコむ安富はさすがである。
「うわあ、副長って嫌われているんだ」
「そうだよね。殺したいって思うほど嫌われているって、ファックでシットだよね」
しかも、市村と田村もまったく見当ちがいなことをいっている。
あっ、これはまったくの見当ちがいじゃないか。
隣で伊庭がふきだした。
島田らも苦笑している。
「主計っ、てめぇっ!」
そして副長はいつも通り、さもおれが発言したかのように理不尽に怒鳴ってきた。
「まぁまぁ、土方さん。あんたも自身が好かれているとは思ってはいないだろうが?もっとも、だから」
「なんだと、勘吾っ!」
「と、主計の心の声がだだもれだ」
「主計っ!」
またしても、蟻通のマイブームの炸裂である。
「そんなこと、思うわけがないですよ。そりゃぁ、BL的で受けとは確信していますけど」
「主計っ、てめぇっ!てめぇが死んじまえっ」
なんと。これが現代なら、ソッコーで大炎上する発言である。もちろん、いまのはおれが発言したのでも心の声がだだもれしたのでもない。
俊冬がおれの声真似をしたのである。
「ってかたま、おれの声真似をするなよ」
まったくもう。こんなマジな状況でおちゃらけまくるなんて。
「きみの影響だよ」
「はあ?」
俊冬の謎断言の意味がわからない。
「関西人の影響だよ。だから、どれだけマジな状況でも和ませなきゃって錯覚を起こしてしまうんだ」
「ちょっと待てよ。たしかに、関西人は周囲に影響をおよぼすことはある。だが、それは言葉だ。関西弁をうつしてしまう。行動や性格まで影響をあたえることはない。まあ、愉しく思わせたり和ませたりという影響はあたえることはあるけど。兎に角、自分がそうしなきゃってサービス精神を発揮させるほどの影響力はない」
「主計。きみは思わなくっても、ほかのみんなは思っているんだよ。というわけで、副長。そろそろ時間です。参りましょう」
思わずガクッときてしまった。
俊冬のやつ、さすがは「わが道爆走王」である。
とっとと切り替えるところなどは、さすがとしか言いようがない。
そして、イケメンズは宴の会場場所である「武蔵野楼」へと向かった。